南葛金町眼科│葛飾区│網膜硝子体疾患の検査・手術

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網膜硝子体疾患の検査・手術

硝子体とは

硝子体は、水晶体の奥にある、卵白のようにドロッとしたゼリー状の透明な組織で、眼球の大半を占め、眼球の外側を覆う強膜とともに眼球の形態を保っています。硝子体が何らかの原因により網膜を牽引したり、濁ったり、出血したりすると、いろいろな目の障害が引き起こされてきます。

硝子体手術とは

硝子体手術とは

この硝子体内部に起こった疾患を治療する目的で、眼内の出血や濁りなどを硝子体と一緒に除去する手術が硝子体手術です。
硝子体を切除するには、白目の部分に3ヶ所の小さな穴を開けます。
従来は20ゲージ(0.9㎜)という穴であったために白目の粘膜を切る必要があり、器具を差し込む入口が大きくなるので結果的に縫合が必要でした。
これに対し、現在当院では27ゲージ(0.4㎜)という世界で最も細い器具を使用しているので、器具を差し込む入口が非常に小さく、そこから細い器具を眼内に挿入して眼の中の出血や濁りを硝子体と一緒に取り除き、網膜に生じた増殖膜や網膜裂孔を治して、網膜の機能を回復させる事が可能になりました。
このような技術の発展に伴い、手術後の回復が早い為、当院ではこの硝子体手術を「日帰り」で行っております。

※当院は、難治例や緊急時にも対応いたしますので、ご相談ください。

手術方法

ほとんどの硝子体手術は、局所麻酔で行います。
手術室で目の消毒をした後、目の下の部分に麻酔注射をします。それでも痛みに過敏な方には、術中に適宜麻酔を追加することで、ほとんどの痛みを取り除くことができます。

1.まず白目の部分に手術機器を挿入します。

小さな穴を3ヶ所開けます。3~4ヶ所の穴(創口)を開けるのには、それぞれ次のような目的があります。
1つ目:術中に眼球の形態を保つための灌流液(かんりゅうえき)を入れるため。
2つ目:眼内を照らす照明器具を入れるため。
3つ目:硝子体を切除するカッターと呼ばれる器具などを入れるため。

2.濁った硝子体を切除し、膜を取り除きます。

出血などで濁った硝子体をカッターで切除します。切除した分量だけ眼内に灌流液が入り、置き換わっていきます。その後は疾患により、網膜上に張った膜をピンセットのような器具でめくったり、増殖膜と呼ばれる分厚い膜をハサミで切り取ったり、網膜にレーザーを照射したりと、必要に応じて処置を行います。

3.網膜剥離や黄斑円孔などの疾患は、灌流液をガスに入れ換えて手術を終えます。

ガスによって剥離した網膜を元の場所に張り戻したり、開いた穴を閉じさせたりします。ガスを注入した患者様には、術後は数日間うつむき姿勢をとっていただきます。また、白内障に罹っている患者様については、白内障手術も同時に行うことがあります。

※手術時間は病態によりますが、軽症なら1時間弱、重症の場合は2時間くらいかかります。

当院における主な対応疾患

増殖糖尿病網膜症

糖尿病の合併症の一つで、重大な失明原因の一つでもあります。眼内に硝子体出血や増殖膜という線維膜が生じて、それによる難治の血管新生緑内障、牽引性網膜剥離など、様々な病態が引き起こされてきます。
治療としては、レーザーによる網膜光凝固術でも進行を阻止できない場合は、硝子体手術が必要になります。

糖尿病黄斑症

糖尿病による高血糖にさらされて傷んだ毛細血管から血液成分が漏れ出し、黄斑部がむくんでしまう疾患です(黄斑浮腫)。自覚症状としては「視力低下」「物がゆがんで見える」「視野の中心部が暗く見える」などがあります。VEGF阻害薬やステロイド薬による治療等を行っても改善しないような場合には、硝子体手術が検討されます。

網膜前膜

網膜前膜とは、網膜の黄斑部(物を見る上で最も重要な部分)に薄い膜が張る疾患です。初期のうちは無症状ですが、進行すると膜の収縮により網膜がむくんだり、膜が厚くなって収縮し、しわができて視力が低下したり、ピントが合わない、物がゆがんで見える、などの症状が現れてきます。硝子体手術で膜を除去して治療します。多くは視力が改善しますが、改善の程度は病状によって差が生じてきます。

網膜剥離

網膜剥離は、その名の通り網膜が剥がれてくる疾患です。加齢などで網膜に穴が開き、液化した硝子体が入り込んで徐々に網膜が剥がれる「裂孔原性網膜剥離」、糖尿病網膜症などで生じる「牽引性網膜剥離」、炎症などによって起こり、網膜裂孔が無い「滲出性網膜剥離」などがあります。

硝子体出血

網膜の血管などが切れて出血し、硝子体の中に血液が溜まった状態を硝子体出血と言います。通常、出血量が多いため、光が出血により網膜まで届かず、視力障害を引き起こします。出血の量が少なければ、飛蚊症(虫や糸くずのような小さな黒い点が見える)の症状が起こります。経過観察をしながら出血の自然吸収を待つケースから、早急に硝子体手術を要するケースまで、病態によって対応はいろいろになります。

黄斑円孔

部分的な後部硝子体剥離に伴う牽引が原因となり、眼底の中心にある黄斑部の網膜に穴が開く疾患です。黄斑部は網膜の中央に位置していて、物を見るための中心となる重要な部分のため、黄斑円孔になると物が非常に見えづらくなり、視力は低下します。以前は治療法が無く、厄介な疾患でしたが、現在では手術により円孔を閉じ、視力も回復できるようになりました。

その他

増殖硝子体網膜症、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、網膜下出血、硝子体混濁、ぶどう膜炎、外傷ほか、各種難治性疾患にも対応いたします。